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許容CPA・許容CPOの計算方法|利益と回収期間から広告費の上限を決める

広告で1件獲得するために、いくらまで使えるでしょうか。商品価格が5,000円だからといって、広告費を5,000円まで使えるわけではありません。商品原価や配送費を支払った後に、固定費をまかない、利益を残す必要があるからです。

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許容CPA・許容CPOは、成果1件に使える広告費の上限です。業界平均をそのまま採用せず、自社の費用と回収期間から試算しましょう。

まず「1件」の意味をそろえる

CPAは、設定した成果1件当たりの費用です。Google広告の平均CPAも、費用をコンバージョン数で割って算出します。成果には購入のほか、資料請求や会員登録などがあり、何を数えるかで意味が変わります。[1]

本記事のCPOは、広告費を対象の注文数で割った「注文1件当たりの広告費」とします。新規顧客の初回注文だけを数えるのか、既存顧客の注文も含めるのかを明記してください。購入CPAとCPOが一致するのは、成果地点・集計範囲・計測方法がそろう場合です。

媒体上の購入と、キャンセルを除いた売上確定注文は別の数字です。複数媒体が同じ注文を成果として数える場合もあるため、媒体別CVを単純合算せず、受注データとの対応を確認します。

初回購入で回収する場合の計算例

以下は、返品・キャンセルがなく、初回注文で広告費を回収する架空のEC例です。売上・費用は税抜で統一し、広告前の変動費をすべて含めたと仮定します。

項目注文1件当たり
値引き後の商品売上5,000円
商品原価1,500円
決済・配送などの変動費800円
広告前限界利益2,700円
広告費を払った後に残したい額700円
許容CPO2,000円

残したい額は、想定注文数で固定費と目標利益をまかなえる水準に設定します。

許容CPO=売上-広告以外の変動費-残したい額

この例では、5,000-1,500-800-700=2,000円です。実際のCPOが1,800円なら、広告費控除後に900円が残ります。ただし、この900円は会社の最終利益ではありません。人件費やシステム代などの固定費を、ここからまかなう必要があります。

広告前限界利益の2,700円まで広告費を使うと、固定費に充てる額が残りません。「限界利益がゼロになる線」と「利益を確保する運用上限」は分けて設定します。代理店手数料や成果報酬は、広告費または変動費のどちらに含めるかを決め、実績側と計算側をそろえます。上記の費用に未算入なら追加で反映します。

返品・税・成果地点を計算に合わせる

返品がある事業では、受注時の売上をそのまま使いません。返金で減る売上と、回収できない配送費・決済費などを反映します。注文受付件数を分母にするなら、返品を含む一連の損益を受付1件当たりで見積もる方法があります。売上確定件数を使う場合も、キャンセル注文で発生した費用を落とさないようにします。

税込売上と税抜原価を混ぜると、上限を過大に見積もる原因になります。社内の損益管理と同じ基準に統一し、どの費用を含めたかを記録してください。

資料請求が成果なら、購入時の許容CPOをそのままCPA目標にできません。たとえば、許容CPO2,000円、資料請求からの購入率10%なら、追加費用を無視した資料請求の許容CPAは200円です。営業・発送などの追加費用を資料請求1件当たりに換算して差し引きます。購入1件当たりの追加費用は、購入率を掛けて換算します。購入率も同じ対象者・期間の実績で確認します。

LTVを使うなら、期間内の利益で考える

継続購入がある商品では、初回だけでなく一定期間の利益から広告費を回収する考え方もあります。ただし、売上LTVから広告費を直接引くだけでは不十分です。継続分の商品原価、送料、決済費、継続施策の費用も発生します。

新規顧客の初回注文を成果とする場合は、次の形で整理できます。

許容獲得費用=回収期間内の広告前累積限界利益-残したい額

「6か月で回収する」なら、6か月を超える利益を混ぜないことが重要です。同じ時期に獲得した顧客群について、解約・返品も含めた実績を確認します。まだ経過していない月の利益は予測として分け、継続率が低かった場合も試算しましょう。

利益が出る見込みでも、広告費の支払いが先で入金が後なら、資金が必要です。採算と資金繰りは別に確認し、回収待ちの間に使える予算も決めます。

コピーして使える案件比較表

次の表をスプレッドシート等にコピーし、同じ条件で記入してください。金額だけでなく、根拠と未確認事項も残すと比較しやすくなります。

入力項目案件A案件B
成果地点・新規/既存の範囲
集計期間・回収期間
税込/税抜の基準
成果1件当たりの期間内売上
商品原価・配送・決済等の変動費
返品・キャンセルの扱い
広告前限界利益
固定費・利益のために残す額
許容CPA/CPO
同じ定義による実績CPA/CPO
実績/予測の区別・出典・確認日

上限を決めた後は、実績との差だけでなく、注文の質や継続率、費用の変化も確認します。許容CPOを下回っていても、少数の注文だけで大幅な増額を決めず、件数と観測期間を合わせて判断してください。価格や送料、返品率が変わったときは、上限自体を更新します。

参考資料

[1] Google広告ヘルプ「平均コンバージョン単価」

https://support.google.com/google-ads/answer/6396841?hl=ja

確認日:2026年9月26日。CPAの定義は上記資料を参照。許容額の計算例と比較表は、前提を明記した本記事独自の試算です。